企画展 2F いとも美しき西洋版画の世界 -紙片の小宇宙を彷徨(さまよ)う

2008.4.5 [土] - 5.18 [日]

ヨーロッパの版画の歴史は、紙の伝来に伴い14世紀末に始まります。15世紀前半には木版だけでなく、銅版によるより精度の高い版画がつくられます。当時花開いたルネサンスが各地に拡がるように、版画もまた広く伝播していきました。ルネサンス文化とともに誕生した版画には、宗教、文学、道徳、政治、寓意のほか、地理や宇宙、不思議、科学、自然、解剖学など、人間を取巻くあらゆる事象から得た多くの題材によって、多くの版画家が紙の上に小さな宇宙を作り出しました。
今回は15世紀に登場したドイツのデューラーをはじめ、16世紀フランドルのブリューゲル、17世紀オランダのレンブラント、フランスのカロ、18世紀スペインのゴヤ、19世紀のルドンやビアズリー、20世紀のルオー、ピカソ、エッシャーまで、各時代の代表的版画家・画家の作品を一堂に会して展観するものです。
一人の個人コレクターが連綿とつながる西洋版画の歴史を追い、50年の歳月をかけて築きあげたコレクションは、西洋版画の歴史を十全に拾いあげ、多様な作家、時代と技法の選択を一つの審美眼で貫いています。鋭利で繊細な線によって描き出される自然や、人間の姿、博物の世界は、まさに版画を読む楽しみを私たちに教えてくれます。

会期

2008.4.5 [土] - 5.18 [日]

休館日

月曜日

開館時間

10:00~17:30  (入場は閉館の30分前まで)

観覧料

一般900円(720円)、大高生720円(580円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。

主催

埼玉県立近代美術館

企画協力

株式会社アートプランニングレイ

協力

ガレリア・グラフィカ、町田市立国際版画美術館、JR東日本大宮支社

レンブラント・ファン・レイン《宝章のついたヴェルヴェット帽をかぶり口ひげをたくわえた男の肖像》1637年

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《馬丁のいる風景》1514-17年頃

ヤン・ファン・デ・ヴェルデ(子)《魔女》 1626年

ヘンドリック・ホルツィウス《ファルネーゼのヘラクレス》1597年